25 ページ25
結局、ずっと頭をかいてるだけに成り下がってたから、二回目も医者が洗ってくれてる
頭では理解してるのに何故できない
悶々と考えて、泡がまた再び流されてトリートメントをされ始めたときに、ふと理解した
そっか、今世の体が理解していないんだ
この体では今が初めてのシャンプーをするという行為だった
前世の体は幼少期に親から教えてもらって、頭でも体でも理解していたから、毎日何の苦も無く1人で風呂に入れたんだ
でも、今世では風呂という名の風呂に入ったことは今日が初めて
10歳の時にできた二重跳びを20年間一度もやらずに30歳になった大人がもう一回跳ぼうとしても出来ない、っていうのと若干似てる………かも
なるほど、世紀の大発見だ
自分でも驚くほどにのんきなことを考えていれば、トリートメントを流すのも終わったみたいだ
「次、ボディーソープなんやけど、ちょっと傷に染みて痛いかも。我慢できる?」
「ぁ、はい…」
「うんうん、えらいねぇ」
怪我した小学生の傷に消毒液を使う保健室の先生?
「背中は俺がやるから、他のところは自分で洗うんやで〜。できる?」
「はい…」
ボディーソープはシャンプーよりも簡単だろうし。
できる…………と思いたい。
121人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ねっこんこん x他1人 | 作者ホームページ:http://nekokobuta
作成日時:2024年3月20日 2時